アレルギー性結膜疾患を含め、アレルギー疾患は、国民病であり有病率が高い病気です。
このため、社会生活へのインパクトが大きな疾患です。
ここ数年間、新たな病態概念の浸透とともに、喘息、アトピー、鼻炎を含めたアレルギー疾患に対して舌下免疫療法や多様な生物製剤が新たな選択肢として利用可能となってきました。そこで他科連携を含めた疾患病態を深く理解するとともに眼科疾患への応用を検討していく必要があります。
一方、私たちを取り巻く社会も大きな変革の時期を迎えようとしています。
これまで私たちの社会は、人々がスマートフォンやインターネットを通じて情報に自由にアクセスできる情報社会として発達して参りました。しかし、情報の偏在や連携の不足などまだ、多くの問題点があります。そこで、AIやIoTの助けを借りて、現実社会とサイバー空間が融合すればより効率的な社会になると考えられます。今、こうした次世代の社会、Society 5.0が内閣府により構想され、整備が進められています。
こうした私たちをとりまく社会環境を踏まえ、本学会のテーマは、アレルギー性結膜疾患と新たな流れ, 基礎から人工知能までといたしました。アレルギー性結膜疾患においてもSociity5.0へ向けた取り組みやAIの開発、さらに病態の深い理解をささえる基礎研究を紹介していきたいと思います。特に、特別講演には、AI技術の社会実装への足がかりとして日本メディカルAI学会の代表理事、浜本隆二先生に御願いしました。
現在、ワクチンをはじめ、コロナウイルスの制御も進んでおります。日本眼科アレルギー学会学術集会第5回は、鳥取県米子市の現地開催として準備を進めております。遠方ではありますが、日本海の海鮮、大山の紅葉とともに、参加者の皆様を心よりお待ちしております。